弟に注意された小さな出来事

今日は弟からいきなり電話がかかってきました。普段は電話しないので、何かあったのではと思いました。話の流れは次のようでした:

 

弟:日焼け止めクリームを持ってる?

私:持ってないよー。外でバイトだから必要なの?

弟:うん。

私:高いよね…

弟:そう!もー、お金ないし。

私:お金ないってどうしたの?なんで?

弟:(非常に怒った声で)「なんで?」ってどういうこと!?その質問、何を言いたいわけ?

私:え?何も。何で、そんなに怒鳴ってるの?

弟:あんたの声、気に入らないから。いつも文句あるんだ。

私:えぇー!何で、別にそういうつもりじゃなかったの。普通に聞いただけなの。

弟:嘘ばっかり。どうでもいい。もういいや。

私:えっ、ちょっと待って。聞いただけなのよ!

弟:分かった。もういい、行かなきゃ。じゃー、また。

 

戸惑った気分になりました。私は悪くないと思いこんで、さっきまでやっていたことに戻りました。けれど、しばらくして、私の「お金ないってどうしたの?なんで?」という質問の無意味さに気が付きました。彼は家族ですが、私は彼の個人的な問題をほじくり出す立場ではありません。もし言いたいことがあれば、自ら言ってくれるはずです。

どんなにその質問で彼のことを判断するつもりはなかったと思い込んでも、自分と正直に対話したら、判断がその質問自体に含まれていることに気づきました。それに、さっきの言葉を無意識に言ってしまいました。こうした「無意識」の発言をどれぐらいしているのだろう。私のせいじゃないように思い込んで、実際に周りにある/いる物事をすでに判断してしまっているのかもしれません。

 

そう気づいたら、弟にすぐに連絡して謝りました。彼も、「キツイ一日だった」と私に言ってくれました(それが怒りの原因だったとわかりました)。

 

こんな風に意味のない質問を他の場所でもしいるだろうかと考えました。本当はあまり興味がないのに、会話を続けるためだけに、内容は何でもいいから何かを聞いています。後は、久しぶりに出会った人に最初にいう言葉に困ったことをごまかして、結局は「お元気ですか」と聞いてしまいます。「今日のお天気はいいですね」とか。笑ってごまかすことが多いかもしれません。誰にもあり得ます。世間話。もし、実際に自分に素直に反応したら(例えば、言葉が出てこなくて、沈黙が続く場合)、逆に相手がびっくりさせてしまうかもしれません。それとも、一般的に期待されている反応がなくて、居心地が悪くなります。相手が心地いいために、私が努力しなければなりません(逆もあります)。だから、フェイクスマイルでごまかしたり、結局、会話を努力しなければならなかったりします。話すって疲れますよね。それより二人が静かにお互いの存在を感じるだけでも、実は会話は成立するのになぁ。会話というのは言葉だけではありません。静けさの中で隣の人と落ち着けるというのはお互いの存在を認めることではないかと思います。だから、その沈黙が言葉よりものを言うのではないだろうか。

 

また、お互いにごまかさずに、物事を簡単に言えば、楽な世の中になるかしら。